こころの家庭教師」のご依頼は、ほとんどの場合がご両親、特にお
母さんからいただきます。不登校になってすぐにご連絡いただく場合
もあればそうでない場合もありますが、不登校や引きこもりの状態に
なって、数カ月たってからご連絡いただく場合が多いように思います。...
最初はあれこれと、試みてみるのだけれど、どうもうまくいかなくな
ってご相談いただくようです。
いろいろなケースがありますが、不登校の場合では、「学校に行かな
いこと」=「だめなこと」という考えがどうしても強いお母さんが多
いと感じます。もちろん私も二人の娘をもつ父親です。親であれば、
学校に行っていないということは、それだけで「悪」であり「恥ずか
しい」と思うのかもしれません。
けれど、このような思いが強すぎると、本人が持っている問題の解決、
もしくは軽減、ということに目が向かず、「とにかく学校に行かせる」
ことが最優先となり、それができないとなってくると、子どもがクラス
に入れない状況を、「自分のせいだ」「育て方が悪かったんだ」と自分
の責任として自分を責めてしまい、お母さん自身が不登校(担任や学校
と連絡することも恐怖心が出てきてしまう)になってしまうケースも見
受けられます。ここまで行かなくて、学校に行かなくなり数カ月たつと
「どうしてよいか分からない」「手詰まり感」というものが大きくなっ
てくるのではないでしょうか。
このような状況で、ご相談いただく場合には、まずは「本人が安心して
過ごせる場所を提供する」こと。そして、それが出来ているのであれば
「そのことを強く支持」します。難しいことではありません。まずは、
家にいていいんだよ、家族の一員として認めているよ、と伝えてあげれ
ばいいのです。私たちはどこかに所属していないと、とても不安になる
ような存在です。学校や会社といった社会的な所属場所が一時的にもな
くなっているとすれば、「家族」という単位はそれを担保する最後の砦
だと思うのです。
私は言葉で伝えることがベストだと思っています。たとえ相手が返事を
してくれなくても、いい顔してくれなくても、自分の気持ちとして、言
葉で伝えることは意味があると思うのです。どうしても言葉では難しい
というのであれば、ご飯をきちんと準備してあげたり、おやすみ、おは
ようの挨拶を投げかけるだけでも、「あなたはここに居て良いんだよ」
と間接的に伝えることは可能なはずです。
「何かしなければ」「早くしなければ」と思うご両親も、このことをお
伝えすると、それだけである種の安心を感じていただくことがあります。
ご両親が「安心する」ということは、かならずその「安心」が子どもに
伝わるということです。この変化だけでも、子どもに「場所」を与える
ことがあるのです。自分の「場所」があれば、力のある子は、自ら考え
自ら行動できるようになると信じています。
私は、不登校や引きこもりとは、彼らがもつ何らかの問題が結果として
現れてきている現象だと理解しています。コミュニケーションの問題、
社会的スキルの問題、生れながらの性格の問題、疾患という枠でくくれ
る問題。「問題を解決したり、軽くする」ということが最終的な目標で
はないでしょうか。「学校に、クラスにもどる」ということを最終の目
標にしてしまうと、問題がこじれたり、再発したりするのではないかと
感じています。
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