「泣いてもいいけれど、泣いてばかりではダメなんだね」
こころの家庭教師でご一緒している、高校生の女の子が言ってくれた
言葉です。その言葉を聞いて、私はとても感動しました。...
少し脚色してお話ししますが、彼女は精神的なものから来ていると思
われる体調不良で、1年ほど学校にいくことが出来ていません。
体のだるさが強く、家の中でも家族の肩を借りて移動するなど、自分
で歩けないほどでした。
私とは半年ぐらいのお付き合いですが、1時間おうちでお話をするの
もやっとの状態です。ご家族は愛情をもって接してくださっており、
彼女にとってもその助けは身にしみているようで、「とてもありがた
い」といつも感謝の言葉を口にしていました。
そんななか、「私はみんなからいろいろとしてもらっている。私も
自分で出来ることをがんばってみよう」という思いが強くなってきた
そうです。自分で出来ること、として彼女はまず、体の具合が悪いと
きでもそれを表情にあまり出さずに、笑顔を作る。ということを取り
組みました。実際、だるさを感じていても、笑顔をつくって家族と接
していたそうです。すると、彼女が思っていた以上にその効果が現れ
たというのです。
自分が笑顔を作っていると、相手も笑顔で返してくれる。自分でもそ
の変化がよくわかった。と言うのです。そして、最初の言葉につなが
ります。
「泣いてもいいけれど、泣いてばかりではダメなんだね」
彼女は、毎日の苦しい中でも、あえて自分でチャレンジしてみてくれ
たのです。今の状況を変えるために、自分がより楽になるために、笑
顔を作るということに。そしてその結果は、見事彼女自身を助けるも
のだったのです。この言葉は誰か自分以外の人から教えられたり、本
で読んだりして出てきた軽いものではありません。
自分が苦労して、勝ち取った宝物なのです。そんな言葉に、ただただ
彼女自身の力の大きさを確信し、感動を覚えました。
何ごともそうだと思いますが、自分が取り組んで自分が感じたことで
ないと私たちは、本当の意味で考え方を変えたり、新しい考え方を学
んだりすることはできないのだと思います。「認知行動療法」におい
ても、頭では考え方や受け止め方の「偏り」や「くせ」を理解してい
てもなかなかそれを変えられない、という言葉をよく聞きます。
「自分がこうなりたい」「自分が楽になりたい」という思いが本物で
あれば、「あえて」思考実験にチャレンジする必要があると思うので
す。チャレンジの向こうにしか、「結果」は生まれません。生まれた
「結果」を評価することが大切なのですから、「チャレンジ」はさら
に大切だと考えています。
「変えられない」という人には、「本当に変えたいのですか?」とい
う質問が意味を持つときもあるのではないでしょうか。
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