こころの家庭教師をしていると、私にとっても親御さんにとっても
「待つ」ことの難しさを感じる場面が多々あります。...
高校認定を受けるにしろ、大学受験をするにしろ、アルバイトを始
めるにしろ、はたまた正社員を目指すにしろ、私たちや親御さんか
ら「~しろ」と言ってみても始まりません。
こんなことは、彼は自身は一番良くわかっています。自分がいま何
を求められているか。
そんな当たり前のことを今更言っても、「またか...」「そんなこと
は分かっているよ」という気持ちを与えることはあっても、何か動
き出すことにつながることは少ないのだと思います。
しかし、中には「前に進みたいと思っている」「なにから始めてい
いかわからない」「外に出ることや電車に乗ることに漠然とした恐
怖がある」といったケースもあります。
そんな時は、一緒になってステップを考えていきます。大きな目標
仕事に就く、学校に戻る、時には小説家になる、総理大臣になる、
というのもありますが、これらはもちろん大切にします。
その上で、まず何ができるか。最初の一歩として何から始めるかを
考えていきます。
仕事を探す前に、運転免許をまず取ろう、そのためには試験勉強を
しよう、そのためにはまず、机を片付けよう、なんかもそうですね。
いま少しの努力と援助で何とかできそうな、やり遂げられなくても
スタートぐらいできるようなことを探していきます。
時には一緒になって電車に乗ったり、求人誌を開きながらあーでも
ない、こーでもない、と話したりもします。
ここで私が思う一番のポイントは、出来たことについて二人で喜び
評価することです。
多くの場合、不登校やひきこもりにおちいっている人たちは、学校
や家庭において、意見されたり非難されたり指導されたり、という
ことはあっても、評価し、褒められることは少ないのだと思います。
机をかたずけることは大したことないと思われるかもしれませんが、
ともすれば、何年間も片づけてこなかった埃だらけの机です。
それを、まず片付けようと話し合い、いつもの決まり切った生活リ
ズムの中で少し時間を作り、いままでは手にしたこともないような
掃除用具を家族に聞いて準備し、そして体を動かして片付け始める。
彼らにとっては、大仕事ですよね。
ただ、彼らもプライドがあります。表面上は「大したことない」
「これぐらいできて当然」という態度ですが、ここでしっかりと
出来たことを2人で確認し、評価し、褒めること、彼らが自信を
構築していくにはとても大切なことだと感じています。
この積み重ねこそが、次のステップへの基礎になるでしょうし、
対人関係についても、2者関係の安定が、それ以外の人達への関
係に良い形で影響していくと考えています。
「安心安全な関係の中で、実際にともに歩いていける存在」
私たちが目指していこうと思う姿です。。
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