『自分の気持ちを伝える(表現する)』
いろいろな場所で、いろいろな方とお話しますが、このわずか11文字
の言葉を実現することを苦手とする方が多いように感じています。...
自分の気持ちを伝える、ことにはどのような意味があるのでしょうか。
「交流分析(TA)」という考え方があります。カナダの精神科医エリッ
ク・バーンが創始したもので、日本でも認知度が高く、ご存知の方もい
らっしゃるのではないでしょうか。
「TAの基本は自我状態モデルである。ここでいう自我状態とは、思考、
感情、行動パターンを包括したものであり、「親(Parent;P)」「成人
(Adult;A)」「子ども(Child:C)」の3つに分類されている」
とされています。さらにこのうちPとCの自我状態は、機能的に次のよう
に分類されれます。
「親(Parent;P)」 →「批判的親;CP」「養育的親;NP」
「子ども(Child:C)」 →「自由な子ども;FC」「順応した子ども;AC」
各自我状態の一般的な特徴をまとめてみましょう。
「批判的親;CP」
・責任感が強い
・厳格である
・完全主義
「養育的親;NP」
・思いやりがある
・世話好き、優しい
・受容的、同情しやすい
「成人(Adult;A)」
・現実的
・事実を重要視する、冷静である
・客観的、効率的
「自由な子ども;FC」
・自由奔放である
・感情をストレートに表現する
・活動的、創造的である
「順応した子ども;AC」
・周りの評価を気にする
・他者を優先する
・自己主張が少ない、よい子としてふるまう
という風になります。あえて大雑把に言うと、人間には、躾などに代表
される親のこころと、子どもが本来持っているような自由なこころがあ
り、それを調整する大人のこころも存在する。ということでしょうか。
親のこころも、子どものこころも、それをらを調整する大人のこころも
すべてバランス良く必要だということは、理解できると思います。
詳しいことはここでは書けませんが、TAではこれらの自我状態を手掛か
りにして、自分の交流(コミュニケーション)パターンを分析したり、
基本的な人生の立場(構え)を見つめて行くものです。TEG(エゴグラム)
と呼ばれる性格検査をご存じの方がいると思いますが、まさにこの自我
状態のバランスを検査するものです。
私がお会いする方達の多くは、FCが低く、CPやACが高い方たちだと思い
ます。
言いかえれば、「~すべきだ」「~しなければならない」という気持ち
や、周りからどのようにみられているかを気にする傾向が強く、自分の
気持ちや感情をうまく表現することが困難な方たちです。
要因としては、いろいろ考えられるでしょう。育ってきた環境によるも
のもあるでしょうし、もって生まれた性格的な偏りが強いのかもしれま
せん。
しかし、私は、私の信念として、自分にとって都合のよい対処法や行動
パターンは、必ずそれを学習し直すことができる、と思っています。
『自分の気持ちを伝える(表現する)』
ことが苦手であると認識し、これによって日常生活まで不便を強いられ
ているという問題意識があれば、新たな対処法や行動パターンを試みて
その中から、自分にとって心地よい、楽になれるものがみつかり実感で
きた時、私たちはそれを学習できると思うのです。
ただ、これはかれらにとってとてつもなく長く難しい道のりだと思いま
す。いままで何年、何十年とわたって培ってきた、強化されてきた行動
パターンを変えようとするのですから。
この難しい作業を、一緒になって考え、取り組んでいくのも私たちの役
割の一つであると、最近感じています。
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