先日、「こころの家庭教師」でおうかがいしている小学生のおうち
に訪問した際に、お母さんから...
「今までは、外に出るのも緊張して近くの駄菓子屋さんまでしか出
れなかったのに、ずっと先にある本屋さんまで行って、本を買って
きたんです。」
とうれしそうに話してくださいました。また
「夏休みのキャンプ、泊まりがけのものですけど、申しこんでみよ
うかと声掛けしたら、すなおに行きたい、と言ってくれました。今
までは、親なしで泊まりに行くのは考えられなかったことです。実
際に行けるかどうかはわかりませんが、驚きです。」
ともお話しくださいました。
お母さんは本当に感謝してくださいましたが、実際私は取り立てて
何かをやっていたという感覚はありません。決められたときにおう
かがいして、目一杯遊びの相手をしているだけです。
お子さんに対して、たとえば行動療法的に今日はここまで外出して
みようね。ここまで出来たら明日はあそこまで行ってみよう。とい
うような取り組みは一切していません。
こんな時には、「子どもの力はすごいなぁ」と感心せざるを得ませ
ん。メンタルパートナーと安心安全な関係で遊んでいたことが、き
っかけになったとしても、本屋さんまで自分で行ってきたことや、
キャンプへの参加を決めたのも、子ども自身の力によるものです。
本来的に彼らは力を持っているのだと思います。それをうまく出せ
ないだけなのかもしれません。特定の人物であっても、第三者と交
わることができると、小さい自信が生まれるのでしょう。ただ、か
れらにとっては計り知れないぐらい大きな意味を持ち、自信となる
場合もあるのではないでしょうか。
そうなれば、この自信を土台として、いろいろなことへ目が向いた
り、チャレンジしていこうという本来持っている力が機能してくる
のだと感じます。
しかし、こんな時でも、私たちは常に波があり、その中での出来事
であると理解しておく必要もあるのだと感じます。小さなことに一
喜一憂しすぎるのではなく、大きな流れの中での出来事と位置付け
る目も同時にもっている必要があると。
この点を親御さんにも伝えるのは重要な意味があると思っています。
波が下にぶれた時に、この点を理解しておくと必要以上に落胆した
りあわてないでも済むのではないでしょうか。
このような時には、今まで出来ていたこともすべて無意味だったと、
すべて初期化されたような気持ちになりがちですが、決してそうでは
ないと思うのです。
人は常に揺れながら、それでも大きな流れとしては良い方向を目指
してみな努力しているはずです。下にぶれた時であっても、それ自
体がまたうえ向きの波を作り出す準備であり、糧であるととらえる
ことができれば、周りでかかわっているご家族も、少しは気持に余
裕が生まれるのではないでしょうか。
キャンプに行きたいと言ってくれた彼も、実際に行けるかどうかは
まだわかりません。けれど、彼の変化によって、お母さんに笑顔が
増え、自分の行動範囲も広がったという事実は、しっかりと伝えて
二人で喜びを分かち合いました。
次回も子どもたちに会うのを楽しみにしています。
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