突然ですが、皆さんは「息切れ」することはありますでしょうか。
私はひきこもり支援の中で、保護者(お母さん)、本人、メンタル
パートナーの三者で、ノートを交換することがあります。...
本人は「面倒くさいし、書きたくない」という場合もあるのですが、
書かなくてもよいから、もしくは見なくてもよいから、といってかな
らずノートが本人も通るようにします。いつかは見てくれるだろう、
そして保護者の素直な気持ちも目にするだろうという期待と、保護者
と私だけでこそこそと何やっているんだ、と思われないような意味を
込めています。
以前、あるお母さんからのノートの中に、「息子は息切れしやすいの
で今回もすこしそうなったのかもしれません。今は十分休んだので力
がたまってきているようです。休みがあまり長くなりすぎないように
これからも力添えをお願いします。」といった旨の言葉をいただきま
した。(表現は変更しています)
少し補足の説明がいりますね。この本人は、その時点ですでに1年ほど
お付き合いさせていただいていた男性です。ほとんど家からは出ない
生活が何年も続いており、私の訪問のおもな目的は彼の希望でもある
資格試験のための勉強を一緒にさせていただくことでした。
一人で家にいると、資格の勉強も出来ないとのことで、勉強しながら
話し合相手になったり、相談を受けたりしていました。
本当に少しずつですが、生活リズムが整ってきて、勉強についても2時
間集中してこなし、「出来た感」「やれた感」を味わえるようになって
いた、ちょうどそんな時期でした。不可抗力なのですが、彼にとっては
良くない状況が発生してしまいました。
今まで調子がのってきていただけに、「どうしてこの時期に...」「なんで
...」という思いも強かったのではないでしょうか。周りからすればそれほ
ど大きな出来事ではないのですが、彼にとっては、見えかけていた希望を
覆い隠すほどの大きな出来事となってしまったようです。
それがあって、しばらくは勉強も手がつかず、生活リズムもまた元に戻っ
てしまいました。
お母さんはこのような状況を「息切れ」と表現されたようです。このよう
な状態(息切れによる、休息)がしばらく続き、お手紙の中にもあるよう
にエネルギーが十分たまってきたのでしょう、徐々に元の生活に戻ってい
きました。
息切れした時には、十分に休むのがやはり大切ですよね。この方もエネル
ギーが再び貯まることで、徐々に本来の力を取り戻されました。
ただ、ここで見逃せない点もいくつかあります。もちろん、少しアクセル
を踏みすぎたことによる「息切れ」もあるのですが、私たちはここで
「認知(考え方)」にも注意を払いたいと思うのです。
一般的にはそれほど大したことない出来事でも、彼は「あぁ、これでもう
すべてダメだ...」「他のこともうまくいかないはずだ...」と捉えてしまっ
たのかもしれません。小さなことを過大評価してとらえたり、物事を白か
黒かだけでとらえたり、ひとつの結果が他のすべてのことも予言している
かのようにとらえたり考えたりする(認知)ことは、自分を苦しめる結果
につながることがあるといわれています。
自分自身の中で、このような「認知(考え方)」を意識して、それが自分
にとって好ましくないものであれば、変化させることを試みてみる。もっ
と柔軟な考え方がないか考えなおしてみる。そして、新たな考え方によっ
て少しでも気持ちや感情が楽になると実感できるのであれば、その考え方
を取り入れてみる、という作業には意味があるのだと思います。
ものの考え方は、ひとそれぞれ違います。どれがよくてどれが悪いという
のではなく、それが自分にとってどうなのか?良い結果をもたらすのか、
悪い結果をもたらすことが多いのか、これを基準として考えたいと思うの
です。例えば、「男は○○であるべきだ」「人前では○○すべきである」
というのはある意味立派な倫理観です。しかしこの思いが強すぎる方は、
その考えによって感情や行動が支配され、自分にとって好ましくない結果
が生まれてきている場合もあるのではないでしょうか。
「息切れ」という単語からくる意味だけでなく、その背景にあるものを考
えながら仕事をしていこうと考える毎日です。
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