先日、「こころの家庭教師」のクライエントさんとしては最高齢に
なる50代の方のところにお邪魔しました。...
もちろん、いわゆるひきこもりではなく、精神科的な疾患をお持ち
で、在宅でのカウンセリングとお散歩などのお付き合いをご一緒さ
せていただくというものです。
このようなお付き合いを通じて、病状の安定や回復への手助けとな
ることを目的として始めさせていただきました。
年齢の近い同性のカウンセラーが担当させていただくことになった
のですが、話題が合ったこともあり、いきいきとお話してください
ました。
天気が良い中での緑を感じながらの散歩も、こころとからだに程良
い刺激を与えるのでしょう、お話がはずむ要因となりました。
うつ病をはじめとする精神科的な病気は脳の機能障害であるという
ところまでは分かってきていますが、具体的な発症に至るまでのメ
カニズムが完全に解明されたとは言い難いところがあります。
ある薬が症状に効くということから、その薬の作用から考えると特
定の神経伝達物質が症状に関与しているのではないかという、ある
意味推測の域を出ないところがあります。
このような経緯で、特定の神経伝達物質を標的とした薬が開発され
てきています。最近では副作用の少ない(とされている)ものがど
んどん出てきています。
わたしたちの「こころ」はいわゆる「脳」のことだ、と考えその仕
組みをすべて解明できれば、もしかすると精神科的な病気はすべて
お薬で治ってしまうのかもしれません。
みなさんはどのようにお考えでしょうか。
私は、心理療法と呼ばれるものを実践している身として、「こころ」
特に「こころの病」と呼ばれるものが、科学的に解明されることは
大いに期待していますし、そのようになっていくと感じています。
それにともなって、画期的な薬が開発される場面もあるでしょう。
問題を抱えている人がそれを解決するのに、その人にとってより負
担の少ない方法、それが薬を飲んだり特別な治療法なのかはわかり
ませんが、があるのであればそれにこしたことはないと思うからで
す。
ただ、病気の種類によっては、お薬だけで完全に治すことが難しく
カウンセリングや行動療法などが併用されることもあります。だい
ぶ一般的にも知られるようになった、認知療法や認知行動療法とい
った心理療法は、うつ病などに対して薬物治療と併用することで、
その効果が科学的にも証明されてきています。
また、こころとからだはつながっているものであると考えれば、か
らだへの刺激や働きかけが、こころに良い影響を及ぼすこともある
と感じています。
太陽の光を浴びて、河原を散歩し、気の合う友人とおしゃべりする
ことが、もしかすると特定の神経伝達物質にお薬と同じような働き
をしているのかもしれません。
病気の種類や症状、経過に合わせて、お薬と心理療法をうまく組み
合わせ、今ここにある問題(症状)を治めて、これからの対応とし
てお薬以外の解決策をもっておくのは、有効な選択肢だと思います。
少し矛盾しているかもしれませんが、「脳」や「こころの病」の仕
組みが解明され、よいお薬が世の中に出てくれば出てくるほど、心
理療法や散歩、また一般に言われるストレス解消法などは「予防」
「再発防止」という観点からもその重要性は増してくるのではない
でしょうか。
クライエントさんと散歩しながらこんなことを考えていました。
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