2008/04/02 【ひきこもりへの介入について】 | ひきこもり・不登校支援は、臨床心理士によるこころの専門家集団「こころの家庭教師」へ。

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2008/04/02 【ひきこもりへの介入について】

今回は、ひきこもりという事態に対して、私人または公的機関が、
何らかの介入を行うべき場合と介入の法的許容条件について、池原
先生の論文から要点をご紹介したいと思います。...

■■介入の許容条件の前提の整理
介入の許容条件についての基本原則は、介入を要する事態の重要性
と介入によってもたらされる利益の程度および確実性を基本的な判
断材料として「比例原則」を適応する
つまり、自体が重大・緊急であればあるほど強度の介入が許容され
ることになる。しかし強度の介入が許される場面であっても、その
介入によって利益がもたらされることが見込まれることが必要であ
るから、もたらされる利益の程度が乏しく、あるいは、利益が得ら
れるかどうか不確実性が高い場合には、生じている事態が重大・緊
急であっても介入が許容されないということもありうる。

本人の判断能力という要素を検討する場合、民法を参考にすると、
15歳前後の年齢をもって、自己の健康や身体の管理、人間関係や
社会との関係の形成についての自己決定能力を承認すべきではない
かと考えられる。従って、20歳を超えている者はもとより、15
歳を目安として、それを超えた者については、親権者よりも本人の
決定を原則的に優先させ、介入は事態の重大性・緊急性がある場合
にだけ例外的に認められるというように考えるべきである。

自傷行為と他害行為について介入の許容性に差があるかどうかを検
討すると、自傷行為については能力に疑いがある場合、あるいは、
そまま自傷行為を放置すると取り返しのつかない結果になる場合の
み介入を許すことになる。一方、他害行為については能力要件にか
かわりなく、介入が許容されることになろう。

家族に対する加害行為は他害行為の一種であり、その重大性・緊急
性において家族以外の者に対する行為と原則として区別する理由は
ない。


■■介入行為についての準則
1.LRA
この原則はLeast Restrictive Alternative(最も制約的でない方
法選択)の原則であり、同じ目的を達成するために複数の選択肢が
ある場合、その中でもっとも制約の少ない選択肢を選択すべきとい
う原則
2.Best Interest
本人の最善の利益を追求することを求めた原則。社会的ひきこもり
という事態では、本人だけなく家族や社会が悩まされている場合も
想定される。こうした場合に、介入の目的はひたすら本人の利益を
図ることにあることを要求する原則。


■■介入の導入段階での準則
本人の自己決定能力が尊重されるべきであるが、ものごとを決定す
るには十分な情報の収集と自己の現実と可能性についての認識・理
解が必要であり、その上でさらに、それらを十分に吟味、検討する
思考のプロセスが不可欠である。目隠しをしてスイカ割りのゲーム
をした時に、見事スイカに棒があたってスイカを割ったとしても、
それをもってスイカを割る自己決定をしたのだとか、逆に、棒が外
れた場合に、スイカを割らない自己決定をしたのだということはあ
りえないであろう。
自己決定権保障の重要な内容として、決定に必要な情報が十分に与
えられ、自己の現状と将来について十分に吟味、検討する機会が付
与されることが必要である。

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すこし固い言葉が続いてしまいましたが、いかがでしたでしょうか。
私がこの論文の中で印象に残ったのは、たとえ家族であっても、暴
力を加えられることは、他害行為としてみなされ、「介入の許容条
件の前提」を考慮して介入が許容される、という点です。

「法は家庭内に入らない」というのは、財産的利益の侵害について
妥当するだけで、生命や身体などへの重大な侵害には妥当しないと
言う考えのようです。

このような場合は、警察権力や少年法などによる介入も選択肢とな
り得るということです。

暴力行為が起こったとき、あなたはまずどのように行動しますか、
という一般的な対処法を考えると、たとえ家族であってもイメージ
しやすいのではないでしょうか。


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介入 , 他害 , 暴力 , 緊急性 , 自傷 , 自己 , 警察 , 重大性
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