「こころの家庭教師」では、お二人の精神科の医師に顧問としてご
指導いただいています。そのため、先生からのご紹介でご相談をい
ただく場合もあります。...
このようなケースは、精神科的治療と並行して「こころの家庭教師」
のような取り組みが必要と先生が判断されたものです。先生と連絡
を取りながら、「こころの家庭教師」でかかわらせていただいてい
ます。
しかし、一般のかたからHPなどでお問い合わせをいただく時に、今
するべきは「こころの家庭教師」ではなく、精神科などの専門医の
受診だろうと感じる時もあります。
以前にも書きましたが、ひきこもりはいくつかの種類に分類するこ
とができます。その中の一つに、精神科的な病気が前面に出てきて
おりその結果ひきこもっている群があるとされます。このような人
達はまずもって、専門医の受診が必要になります。多くの病気は早
期発見早期治療が予後に影響するからです。医師ではない心理士や
ご両親には、診断も治療も投薬もできません。しかし、病気の特徴
を知っておくことで、その疑いを持てば専門医にいち早くつなげる
ことは可能になります。
「ひきこもりを卒業させる5つの法則」からの抜粋になりますが、
知っておきたい、ひきこもりに関係することがある精神科的な症状
を以下に書いてみます。
------
・統合失調症 神経が敏感になりすぎ、環境へ適応するのが難しく
なる病気です。小さな刺激にも敏感に反応するようになり、たとえ
ば「周りの人が自分の悪口を言っている」とか「テレビで自分の噂
をしていた」「盗聴器が仕掛けられていて、監視されている」「自
分は特別な人間で、特別扱いされるべきだ」といった非現実的な考
えにとらわれてしまいます。これは本人にとっては事実として理解
されているもので、周りの人間が違っていると訂正できるものでは
ありません。状態としては、気持が不安定になり、ゆとりがなくな
って仕事や勉強も上の空になりがちです。一方で、陰性症状といっ
て、根気がない、意欲がわかない、生き生きとした感情がわいてこ
ないなどの症状が出てくる場合もあります。このような時は傍から
見ているといつも疲れやすく無気力でごろごろしているといった状
態に見えます。
お薬による治療に加えて、支持的な環境の中で丁寧なリハビリテ
ーションを行うことが必要な病気です。
・うつ病 集中力の低下、意欲の減退、ゆううつな気分などが自分
の意思とは無関係におしよせてくる病気です。自分の体の弱い部分
にも症状があらわれやすく、便秘や下痢、肩こりなどが先行して見
られる場合もあります。まじめで几帳面な性格の方がなりやすいと
いわれ、「他人に迷惑をかけてしまった」「自分のせいで問題を起
こしてしまった」と強すぎる自責感や他者配慮の念を口にする場合
もあります。
抗うつ剤を中心としたお薬と休養、そして支持的な環境でのカ
ウンセリングによって回復可能な病気です。
・強迫性障害 「自分の体は汚れているのではないか」とか「自分
はひどいことをまわりのひとにするのではないか」など、ひとつの
ことにとらわれてしまう強迫観念と、それをうちけし、またはそれ
に左右されるように、たとえば何時間も手を洗ったり、家の鍵を閉
めたか何十回も確認したりする強迫行為という症状があります。本
人は自分の行動が不合理だと理解できるのですが、やめられないの
です。
お薬による治療とカウンセリングの併用が回復には有効とされます。
・パニック障害 ひどい動悸や呼吸困難、息苦しさを体験する「パ
ニック発作」があり、乗物に乗ったり、会議や授業に出たりすると
「また似たような発作がおこるのではないか」との不安が高まり、
次第にひとりでの外出が難しくなってくる病気です。本人にとって
は死んでしまうかもしれないと思うほどの発作であり、その不安は
とても大きいものです。
お薬による発作の予防と、不安に対するカウンセリングの実施が
有効とされています。
・摂食障害(拒食症) 見た目や体重に強いこだわりがあり、行き
過ぎたダイエットをしたり、食べては吐くという行動を繰り返した
りします。女性に多い病気です。自分に対して自信を持つことが難
しく、対人関係をつくることも苦手で、結果としてひきこもる場合
もあります。
お薬による治療と、個人のカウンセリングや家族療法で回復に向
かうとされます。
・PTSD(外傷後ストレス障害) 目の前で交通事故が起こって
人が死んだ、災害に巻き込まれて生き残った、など通常の生活では
ありえないような強い恐怖や、戦慄にあってしまったことで生じる
病気です。原因となった体験が繰り返し思い起こされたり、不眠や
イライラが続く場合もあります。
専門的なカウンセリングに加えてお薬が効果的とされます。
・適応障害 一時的な強いストレス状況によっておこる病気です。
眠れない、感覚が鋭くなりすぎる、周囲に対して疑り深くなりなど
の症状が現れることがあります。
お薬をのみ日々の緊張をといていくことで回復に向かうとされます。
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一言に「医師に診てもらってください」といっても、本人を受診さ
せることがとても難しいのが「ひきこもり」ですよね。
「病院へ行けと言っても、本人に無視されて終わりです」
こんな声が聞こえてきそうですね。でも簡単にあきらめないでくだ
さい。精神科的な病気が全面に出てきている場合には、その症状に
よって本人が日常生活の上で困っている点が必ずあるはずです。
「胃腸の具合が悪い」「何時間も手を洗い続けてしまう」「電車に
乗ると汗がすごくて息苦しくなってくる」などなど。
本人は、これらの症状で実はとても苦しんでいます。苦しんでいる
点は、少しでも早く解決してあげたいと思いますよね。
「お腹の具合悪いようだけど、近くの○○先生のところ行ってみたら?」
といってあげればどうでしょう。まずはかかりつけの先生や内科
の先生でかまわないと思います。内科的に問題がなければ、心療内
科や精神科を紹介してくれるはずです。
「困っていること、苦しんでいることを少しでも軽くしてあげたい」
この気持で、病院へ行くことを促してみてあげてはどうでしょうか。
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