長年、ひきこもりのかたと生活しているご家族は、とても疲れてい
ることが多いように感じます。本人が家庭内で暴言を吐いたり、暴
力に訴えることがあればなおさらです。...
いろいろと本人の回復や社会復帰を願い、働きかけをするけれども
すべて中途半端に終わってしまう。今度こそはと思うけれども、ま
たダメで、裏切られた様な感覚に陥ってしまう。
こうなると、「本人は弱い人間で、なにをやらせても無駄。働きか
けをしても返ってくるのが暴言や暴力であれば、触らぬ神にたたり
なし」とあきらめに似た気持ちに陥るケースもあるのでしょう。
「もう何をやっていいのかわからない。どうすればいいのですか?」
と相談いただくこともしばしばです。
以前もここで書きましたが、ひきこもりを理解するには、いろいろ
な視点が必要です。精神医学的な視点、性格傾向を考える視点、発
達障害や軽度の知的障害の視点、これらの問題から2次的に起こる
問題という視点。しかし、すべてに共通しているのは、本人が問題
そのものではなく、本人は「問題を抱えた人」であるということで
す。
ひきこもり支援の場に限らず、カウンセリングの場面では、本人と
本人を苦しめる「問題」を切り離して考えることがあります。
これは、カウンセラーなどの援助者と本人が、「問題」という対象
について共同で解決を探ろうとする場合に、共に解決すべきものと
して理解しやすいものだからです。
「援助者(家族)」「本人」「問題」この3者が関与していると理解す
るのです。
話を戻しますが、あきらめにも似たような思いが家族を覆い尽くし
ていうようなときには、「本人=問題」というようなとらえ方がな
されている場合が多いのではないでしょうか。
そんなとき、「本人=問題を抱えた人」と視点を変えれば、問題に
ついて焦点を当て、その解決には何が必要なのか、冷静に考えられ
のではないかと思います。病院での治療が必要なのか、カウンセリ
ングが必要なのか、それともフリースクールなどでの生活が必要な
のか、答えは出せなくとも、援助者とともに解決を考える入口には
なるような気がします。
ひきこもりで一番困っている、つらい思いをしているのは間違いな
く本人です。彼らは問題の所在について、よく知っている場合もあ
ります。
私たちは、信頼できる人間関係の中から、「問題」を明らかにして
家族とともに解決に向かって取り組みを進めていく、このお手伝い
ができればと常々考えています。
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