2009/07/16 【自分の力を発揮する】 | ひきこもり・不登校支援は、臨床心理士によるこころの専門家集団「こころの家庭教師」へ。

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2009/07/16 【自分の力を発揮する】

「自分の内にもともと存在する力を引き出す」この言葉は、私たちの
とりくみの大前提となっている言葉です。

おおくのひきこもり状態にある方は、自分の"力"に気付くことが困
難な状態にあるのだと感じます。いろいろな理由があって不登校やひ
きこもりの状態になるわけですが、この期間が長く続くと、自分でも
何とかしたい、今のままではいけない、と思いつつも、外に出ること
が億劫になったり、必要以上に不安や恐怖を感じたりすることがあり
ます。...

もともと人見知りだったり、コミュニケーションの取り方に独特の癖

がある方は、この傾向がより強くなることもあるのではないでしょう

か。環境に慣れてしまうのは私たちの特性です。当初はそうでもなか

った、外出の億劫感や対人緊張が、「ひきこもる」という慣れに伴い

高まってくる場合もあると思うのです。


こうなってしまうと、当初のひきこもりや不登校になった要因にもま

して、これらの行動様式が自分自身を苦しめてしまうことになります。

もともとの要因に対する取り組み、例えば環境調整であったり、治療

的な取り組みであったり、も重要ですが、「慣れ」から作られた行動

様式にたいしては、それに自分が取り組んでいく必要が出てきます。

多くの場合には、ここまでの状況に来てしまうと、「自分は何も出来

ない」「どうせダメに決まっている」「どうでもいい」と、自分自身

に対する評価を大きく下げてしまいます。自分がもっている行動様式

を変化させるだけのモチベーションが出てこないのは、ある意味当然

です。


では、このような状況で、どのように行動様式を変化させていけばよ

いのでしょうか。親や教師がひっぱりあげて、何かをさせるというの

は、多くの場合困難です。行動様式の変化であれば、一番に思いつく

のは行動療法的なアプローチです。生活リズムを整えるために、まず

は午前中に起きれるようにする。例えば、午前中に起きれた日はシー

ルなどで記録して、それがいくつ集まるとご褒美と交換、みたいな約

束を実行することもあります。中高生であれば、カウンセラーとの信

頼関係が出来れば、週に一度ぐらいからでも午前中に起きることを二

人の間で目標として、リズムチェック表などを用いて取り組んでいく

こともできます。家の中でよいから、簡単にできるお手伝いなんかを

実行してもらう場合もあります。お風呂の掃除や、食事の準備、また

郵便や新聞のとりこみなどです。


私は、ここで大事になるのが「自分の内にもともと存在する力を引き

出す」ことだと思っています。精神科的に大きな問題がある方は別で

すが、多くの方は、今のような状況になる前には、学校に行き、友達

と遊び、勉強をしていたはずです。そのとき使っていた「力」は潜在

的に誰にでも眠っているのだと思っています。それをうまく引き出し

てあげることが重要ではないでしょうか。

「自分がなりたい姿」「自分がなりたい職業」「自分がやりたいこと」

「自分が心地よいと思うこと」「自分が楽しいと思うこと」「自分が

食べたいもの」「自分が嫌なもの」などなど、私たちはこれらの質問

に対してはある程度こたえられるものです。けれど、不登校やひきこ

もりを長く過ごしている方たちにとって、これらの質問はとても難し

いものになると感じています。これは「自分が」という主語を持って

物事を考えることを避けてきているともいえます。

私たちの仕事は、先ほどの質問に対して、彼ら自身が考え、何かしら

の答えを探っていくという作業をともにこなしていくことだと思って

います。

この作業の中で「いままでこんなこと考えもしなかった」とか「自分

の判断には責任が伴うんだ」とか「決定や判断は怖い」といった言葉

がよく聞かれます。いままで避けて通ってきた作業です。自分を見つ

める作業です。怖いのもうなずけます。けれどこの作業によって、み

んな自分の中にある「力」に気づき、それを使おうとすることが出来

るのだと私は信じています。具体的な行動の「変化」も、これがなけ

れば、なかなか見えてこないのではないでしょうか。

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